サーマクールとXERFの併用を考えている方が最もよく聞くのは2つの質問です。「どちらも高周波なら、1つだけ受けてもよいのでは」「一緒に受けると肌に負担がかかりすぎるのでは」。この記事では、同じ高周波系である2つの施術をなぜ分けて計画するのか、同日に重ねて当てるか間隔を空けるかを何が決めるのかを順に整理します。

まず結論から

2つの施術を一緒に計画することは可能です。ただし「両方受ければもっと良くなる」という考え方ではなく、熱が届く層と部位を分けて配置する方法で設計します。同日に一度に進めるか、数日から数週間の間隔を空けるかは、皮膚の厚さや敏感さ、回復に使える時間、これまでの施術記録を確認したうえでカウンセリングで決めます。リフティングは通常1回の施術後に経過を確認し、繰り返しの時期はおおよそ1年前後を目安に経過を見て決めるのが一般的です(ATTITUDE Clinicコラム)。

どちらも高周波なのに、なぜ分けて計画するのか

高周波(RF)は、電気エネルギーが皮膚組織を通るときに熱へ変わる仕組みです。DermNetの資料によると、サーマクールはこの熱を真皮のコラーゲン層に調整された量で届けてコラーゲンを収縮させ、新しいコラーゲンが作られる過程を促します。作られたコラーゲンが定着するまでには約6か月かかるとされています。真皮のコラーゲンは年齢とともに徐々に減り、その結果が小じわやたるみとして現れます。

皮膚断面の上に高周波の熱領域が2か所あり、後ろに女性2人と案内の女性1人が見える

では、なぜ2つの機器を分けて使うのでしょうか。2つの施術はどちらもクリニックの施術案内でモノポーラー高周波リフティングの項目にまとめられています。同じ系列というのは熱を作る原理が同じという意味であり、熱が届く深さや範囲、ショットの配分方法まで同じという意味ではありません。チップの形やショット単位の構成が異なり、同じ顔でもどの部位にどれだけのエネルギーをどれくらい重ねるかは機器ごとに異なる設計になります。

ここでよくある誤解が1つあります。「同じ高周波だから1つだけ受ければ残りは意味がない」という考えです。実際には、悩みが皮膚のどの層から来ているかによって先に扱う機器が変わります。クリニックのコラムでは、リフティング機器ごとに熱や超音波を伝える方法と刺激が届く深さが異なるため、同じ「ハリ低下」という悩みでもどの機器を先に使うか、強さをどの程度にするか、他の施術を組み合わせるかは人によって変わるとしています。

表1 どちらも高周波なのに、なぜ分けて計画するのか
区分 サーマクール XERF
エネルギー方式 モノポーラー高周波(RF) モノポーラー高周波(RF)
ショット単位の構成 600ショット・900ショット、アイサーマクール225ショット・450ショット 300ショット・600ショット・900ショット、アイXERF225ショット・450ショット
皮膚の中ですること コラーゲン層に熱を届けて収縮を生み、新しいコラーゲンが約6か月かけて育つ 同じ高周波系リフティングで、熱が届く深さと範囲はチップと設定により異なる
痛み・麻酔 ほとんどは局所麻酔なしで進行、施術中の熱感フィードバックでエネルギーを調整 痛みの程度と麻酔方法はエネルギーレベルと部位に応じてカウンセリングで案内

表は左右にスクロールしてご覧ください。

まとめると 2つの施術を一緒に受けるかどうかは「どの機器がより優れているか」ではなく「自分の肌でどの層を先に扱うか」で決めます。同じ高周波系でも層と範囲を分ける設定が異なるため、2つの機器を分けて配置する計画が自然に出てきます。

同日に重ねるか、間隔を空けて分けるか

判断の出発点は、熱刺激が重なるかどうかです。同じ部位に2つの機器を続けて当てると、皮膚が受ける熱の量が片方だけのときより大きくなります。赤みや腫れが普段より長く残ることがあり、翌日に予定がある方には負担になります。そのためカウンセリングでは、回復に使える時間を先に確認します。

回復の幅はどの程度でしょうか。DermNetは、サーマクール後の赤みと腫れが1~2時間程度、長い場合は数日まで続くことがあると記しています。赤みはメイクで隠せる程度で、ほとんどは翌日には日常生活が可能なレベルとしています(DermNet)。この期間が長引く要因がある肌なら、同日に2つの機器を重ねるのではなく時期を分けるほうが負担が少なくなります。

結果を判断する時点も、間隔の設計に影響します。DermNetは、サーマクールの結果は予測が難しく、ある人には効果が現れないこと、施術直後や数週間以内に良くなる場合もあるが2~3か月経ってから変化が見える場合もあるとしています。新しいコラーゲンは施術後6か月まで育つため、そのときまで改善が続くことがあります(DermNet)。2つ目の機器をいつ重ねるかも、この流れの上で決めることになります。

さらに加わるのが、これまでの施術記録です。どの機器を何ショットで、いつ、どのような反応とともに受けたかが分かると、同じ熱を再び重ねてよいかの判断に役立ちます。クリニックのコラムでも、これまでの記録を検討したうえで、別の機器や容量、順序を考慮するかを一緒に決めるとしています(ATTITUDE Clinicコラム)。

順序と間隔を決める基準は何か

1つ目は、悩みがどの層から来ているかです。広い部位のキメとハリ低下が悩みなのか、局所的に深くたるんだ部位が悩みなのかによって、先に扱う層が変わります。2つ目は、皮膚の厚さと敏感さです。皮膚が薄い、あるいは熱刺激に敏感な傾向があるなら、同じショット数でも負担が大きくなるため、強度と範囲を変えて設定します。

3つ目は、回復の余裕です。ダウンタイムを長く取れるか、重要な予定が数日以内にあるかによって、同日に進めるか間隔を空けるかが分かれます。4つ目は、繰り返しの時期です。リフティングは通常1回の施術後に経過を見て次の時期を決め、ATTITUDE Clinicのコラムでは繰り返しをおおよそ1年前後と案内しています(ATTITUDE Clinicコラム)。

体感の時期も一緒に覚えておくとよいでしょう。サーマクールは施術初期に硬い感じがすることがありますが、その一部は腫れによるもので、腫れが引くと多少落ち着きます。追加の変化はたいてい2~6か月にかけて徐々に現れる流れを示します(ATTITUDE Clinicコラム)。この時期に2つ目の施術を重ねると、何がどちらの施術の結果なのか区別しにくくなるため、順序を決めるときにはこの間隔も一緒に見ます。

痛みと目の周りの施術、事前に確認すること

サーマクールはほとんどが局所麻酔や注射鎮静なしで進められます。施術中はクーリングスプレーが表皮を冷やし続け、熱感と痛みは人によって無感覚から強い熱感、痛みまで幅広く現れます。医療スタッフが施術中ずっと熱感への反応を聞きながらエネルギーを上げ下げし、顔全体で1~2時間かかります(DermNet)。

痛みのばらつきは、エネルギーレベルと部位ごとの神経密度が生みます。エネルギーレベルが高いほど、1か所に撃つショット数が多いほど熱刺激が強くなり、痛みも一緒に大きくなります。部位としては、あごライン・頬骨・額・目の周りのように骨に近く神経が密なところがより敏感に感じられ、頬のように組織が厚いところは同じエネルギーでも少なめです(ATTITUDE Clinicコラム)。

目の周りを一緒に扱うなら、確認することが1つあります。米国FDAの有害事象報告書にはサーマクール施術後の眼のやけどが報告された症例が載っており、ここでは眼の保護具の材質が重要だと強調しています。金属製の眼球保護具は高周波熱をそのまま目に伝えて損傷を与える可能性がありサーマクールには適さず、サイズを合わせたプラスチック製の保護具を使うべきだというのです(FDA MAUDE)。目の周りの施術計画があるなら、この点をカウンセリングで確認しておくほうがよいでしょう。

こんな状況なら

ドレスの後ろを留めるのを手伝われている女性と隣に立つ別の女性

結婚式や撮影の日が決まっているとき

日が決まっているなら、2つの機器を同日に重ねるよりも、大切な日の十分前の時点で1回、残りを別の時期に分ける計画がよいでしょう。施術直後の数日は赤みと腫れが残ることがあり、追加の変化は2~6か月にかけて徐々に現れるためです。カウンセリングのときに日を先に伝えれば、その予定に合わせて順序を調整できます。

待合室で短い髪の女性と看護師が向かい合って立っており、背景に受付デスクと他の人々がいる

継続的にケアしたいとき

一度にまとめて受けるよりもラウンドを分けるほうが、熱刺激を分散させます。リフティングの繰り返し時期はおおよそ1年前後を目安に経過を見て決める流れが一般的なので、その間にどの機器をどの時点に配置するかを初回のカウンセリングで大きな絵として決めておけば、毎回の来院のたびに一から悩まずに済みます。

座っている女性患者の顔を指先で診る女性医療スタッフ

敏感、あるいは赤くなりやすい肌

同じエネルギーでも赤みやほてりが長く残る肌なら、2つの施術を1日で重ねないほうが負担が少なくなります。皮膚の厚さと敏感さ、これまでの施術で反応がどうだったかをカウンセリングで伝えれば、強度と範囲を変えて設定できます。回復が遅い傾向なら、間隔を少し長めに取る選択も一緒に検討します。

キャリーバッグを横に置いて受付でスタッフと話す女性2人

短く滞在する海外からの来院者

滞在日程が短いと、施術後の経過を見に再び来ることが難しくなります。この場合は、2つの施術を一度に重ねるよりも、滞在期間内に回復が終わる1つに集中し、残りは次の来院に回す計画が現実的です。出国日とフライト時間を伝えれば、その中で可能な範囲を一緒に見ます。

カウンセリングの前に伝えてください 最近の紫外線曝露(日焼け、屋外活動)と使用中のスキンケア製品、服用中の薬、これまでに受けた施術の機器とショット数・日付・反応、痛みへの敏感さ、控えている重要な予定を伝えていただけると、順序と間隔を決めるのに役立ちます。

ATTITUDE Clinicはこのように進めます

  1. 皮膚分析カメラで女性の顔を検査する医療スタッフと女性
    AI皮膚分析の記録: 皮膚の状態を記録して整理し、医師と同じ情報を一緒に見ます。分析ツールは情報を整理するだけで医学的診断は行わず、解釈と判断は院長が行います。
  2. カウンセリング室で顔の模型を指して説明する医療スタッフと聞いている女性
    院長カウンセリングで組み合わせと順序を決める: 分析記録に悩みや生活習慣、これまでの施術経験を加えて、何が必要か、何は省いてよいか、2つの機器を同日にするか分けるかを一緒に決めます(ATTITUDE Clinicコラム)。
  3. ベッドに横になった女性の顔に高周波施術器を当てている手袋をした医療スタッフの手
    院長が直接施術: カウンセリングで立てた計画どおりに院長が直接行い、施術中は皮膚の反応を見ながら強度を調整します。設計と実行がずれないようにするための流れです。
  4. 医療スタッフが女性患者の顔を診ている様子
    経過確認と次の間隔: 経過を確認したうえで次の時期の間隔を決めます。繰り返しはおおよそ1年前後を基準にします(ATTITUDE Clinicコラム)。

このテーマに関連してクリニックで扱う機器は、サーマクールFLX(Thermage FLX・Solta)とXERF(XERF・Lutronic)、そして目の周り用のアイサーマクールとアイXERFです。いずれもクリニック案内のモノポーラー高周波リフティングの項目にショット単位とともに整理されています(施術案内)。

施術後のケアと副作用

  1. ベッドに横になった女性の頬に布で包んだ冷却パックを当てている手袋をした手
    鎮静: 施術直後は赤みやほてりが残ることがあります。冷やすことは腫れに役立つことがあり、具体的な方法は医療スタッフに確認します。
  2. 鏡の前の机に座って頬にクリームを塗る長い髪の女性
    保湿: 熱刺激を受けた皮膚は数日間乾燥しやすいので、普段よりこまめに保湿を続けます。
  3. 窓辺に立って鏡の前で顔にクリームを塗る茶色の髪の女性
    紫外線遮断: この時期は皮膚の防御バリアが一時的に弱まっているため、普段より紫外線遮断を意識すると色素沈着なく回復できます。当日のサウナや激しい運動、飲酒は避けるほうがよいでしょう。
  4. 1人がカメラを持って女性の横顔を撮影している場面
    経過確認: DermNetは、施術後1~2か月間隔で写真を残して経過を見る方法を案内しています(DermNet)。変化が徐々に現れる施術なので、記録があると判断しやすくなります。

副作用をよくあるものから順に見ると次のとおりです。赤み、腫れ、ほてり、小さなあざ、あごラインに沿って押すと痛い感じ、一時的なしびれや感覚低下がよくあり、たいてい数日以内に落ち着きます。DermNetは、サーマクール施術に関して報告された副作用の頻度を1%未満と記しつつ、その中でよくあるのが腫れと赤みであり、やけど・水ぶくれ・瘢痕のリスクも併せて言及しています(DermNet)。FDAの報告書も、水ぶくれと赤みはサーマクール施術で知られている起こりうる副作用であり、施術が皮膚の上層に熱を作ることでやけどとその後のかさぶた、瘢痕の可能性があるとしています(FDA MAUDE)。

まれなものとしては、一時的な顔面筋力の低下や望まない脂肪層のボリューム減少が報告されています。目の周りを施術したなら、目の痛みや視野の異常も見るべきサインです。水ぶくれができた、痛みがだんだん強くなる、数日経っても赤みと腫れが引かない場合は、待たずにクリニックに連絡して確認してもらうほうが安全です。

よくある質問

サーマクールとXERFは同じ日に受けてもよいですか?

可能ですが、同じ部位に熱を重ねて当てる分、赤みと腫れが普段より長く残ることがあります。そのためカウンセリングでは、2つの機器をどの層に分けて配置するか、同日にするか時期を分けるかを先に決めます。翌日や数日以内に重要な予定があるなら、間隔を空けるほうが負担が少なくなります。回復の余裕と皮膚の敏感さを伝えていただければ、それに合わせて計画を立てます。

どちらか一方だけでは意味がないですか?

そうではありません。2つの施術はどちらもモノポーラー高周波リフティングとして案内される機器であり(施術案内)、悩みがどの層から来ているかによって先に扱う機器が変わります。広い部位のハリとキメが中心なら、1つの機器で始めて経過を見ることで十分なこともあり、深い層のたるみも一緒に悩みなら組み合わせを検討します。何が必要かは分析記録とカウンセリングで決めます。

順序と間隔は何で決めますか?

皮膚の厚さと敏感さ、回復に使える時間、これまでの施術記録、悩みがある層を一緒に見ます。同じ組み合わせでも一度に進めるか分けて進めるかによって回復過程と体感が変わることがあり、この設計自体がカウンセリングの役割です(ATTITUDE Clinicコラム)。繰り返しの時期は通常、経過を見たうえでおおよそ1年前後を基準にします。

ショット数が多ければ結果もよくなりますか?

ショット数は熱刺激の量と痛みに影響します。エネルギーレベルが高いほど、1か所に撃つショットが多いほど熱刺激が強くなり痛みも一緒に大きくなるため、同じ熱を同じ部位に重ねて当てると回復の負担が増えます(ATTITUDE Clinicコラム)。そのためショット数は、部位の広さ、皮膚の厚さ、エネルギーレベルとともに決まります。数字だけを見て選ぶより、どの部位にどう配分するかが結果を左右します。

クリニックを選ぶとき何を確認すべきですか?

カウンセリングした人と施術する人が同じか、これまでの施術記録を検討するか、分析記録を診断のように使わずカウンセリングで決めるかを先に見ます。目の周りを一緒に計画するなら、眼の保護具をどう使うかも確認する価値があります。サーマクールには金属製の保護具が適さず、サイズを合わせたプラスチック製の保護具を使うべきだというのがFDA報告書の説明です(FDA MAUDE)。機器の名前よりも、どの層にどの順序で配置するかを説明してくれるかを基準に見ると判断しやすくなります。

ひと目でわかるまとめ

表2 ひと目でわかるまとめ
項目 ポイント
一緒に受けられるか 可能だが、熱が届く層と部位を分けて配置する方法で設計
同日 vs 間隔 皮膚の厚さと敏感さ、回復の余裕、控えている予定で決める
結果の確認時点 初期の硬い感じの一部は腫れ、追加の変化はたいてい2~6か月
繰り返しの時期 通常、経過を見たうえでおおよそ1年前後で調整
痛み エネルギーレベルと部位ごとの神経密度でばらつき、麻酔方法はカウンセリングで案内
目の周りの施術 金属製の保護具は不適、サイズを合わせたプラスチック製の保護具を使用